べつに、貴方の願いなんて叶えてあげるつもりはないわ(ナド・クライ魔神任務終了後コロサン総評)

※注意! この情報は2/21現在から見て古く、論理の加筆修正が行われるべき内容です。原稿のため記載の時間が取れていませんが後ほど情報の更新を行いますのでおまちください

注:水仙は座学で収めていて更新前日、直前まで初見を取っておいた人間の理解度です。身体の構造は正解かはわかりませんけれど、少なくとも調度品の意味はあってるはず。

追記:短冊のお陰で論拠が補強されましたので、まとめ次第リンク貼ります密合と「恋人」のアルカナ、恋物語

 

さて。これは別に誰の書き置きでもないわ。自分の思考を整理するためよ、理解いただけるかしら?

大量の情報を入れたから複雑になりすぎてるのよ、今のワタシ。だから、不必要な記録はデリートするから……こうして、メモを取っておくため。

ゼッッタイ、開封しないでって言いつけをして、アルレッキーノに保管させておこうかしらね。

この書面をもし、どこかの誰かさんが読んでいるんだとしたら。いい?覚えておきなさい、ワタシは自己犠牲なんて選択しないから。

アランのやつに、最後に一つくらい応えてやろうってだけよ。ワタシはワタシの願いを叶えるの。それ以上でもそれ以下でもないわ。

まず……水仙十字結社の研究結果は十分に読ませてもらったわ。

あれから少し……ほんの少しね、時間を掛けて考えてみたのよ。魂を切り離し、器に封じ込める……一見無関係に見えるこれらの技術はルネの研究を支えてきた。四象限の区分けに錬金学の理論が一部取り入れられてる。ルネとジェイコブは、錬金術の原理を合わせた器の生成の方程式……密号のモデルの資料を、用意していた。

認めるわけない、認めるわけないって、そう思ってた。ましてや、これに関連する理論やパラメーターを事象数式に組み込むなんて、尚更よ。

アランの残した資料の一部は、これらの記録と完全に一致してた。水仙十字結社のあるゲシュタル塔で手に入れたってね。

ルネの研究に目を通さなかった?それとも、目を通した上で、相容れない理念を同じモデル内に置きたくなかったの?

……だって、あり得ないもの。そんな事を、よりによってワタシの知ってるアラン・ギヨタンがするだなんて。

だからね、気付くのが遅れたの。まさか……そんな、人間臭くて不器用な人間だったなんてね。

あの「笠っち」って人のコアが世界樹だったなんてね…効果は上々。おかげで分かったことがあったわ。まさか、コアを取り出す過程で、成功している人形を見ることになるだなんて。

アラン、アナタって人は……やっぱり、敵わないわね。悪くも良くも……良くも、ドットーレに負けてないわよ、アナタ。夢を叶える機会、みすみす逃しちゃって。世界を救う願い、結局ワタシがやらざるをえなくなってるじゃない。代理戦争なんかじゃなくって、今この場にいなさいよ、ルネとジェイコブと、マリアンと……カーターも一緒に。ワタシはプロンニアにお茶を淹れさせて、アナタ達が計画を成功させるのを待ちながら過ごすから。早急に、カップの紅茶がなくなる前に、とびきり歌の上手な歌手をよこしなさい。全員揃ってれば負けないのなんて、自明の理ね。

アナタがたった一人で作り上げた人形は、誰よりも高性能なんだもの。ここには旅人もいるの、独りよがりになんてならずに、仲良しこよしで手を繋いで研究ができるでしょう?人の協力を得たアナタ達はドットーレ程度になんか、止められるわけがないものね。

……分かってるわ。その程度の相手なんてワタシの方程式だけで十分よ。知ってる、やり遂げて見せる。

だからこそよ。こんな退屈な願いの為に、ワタシは自己犠牲なんて選択をするわけがないでしょう?もう既に記したはずよ、ワタシはワタシの願いを叶えるの。それ以上でもそれ以下でもないわ。

ルネとジェイコブの研究と、「笠っち」、そしてワタシがよく知ってるアナタの方程式。そして、今ここにあるワタシの身体……。

全部情報が出揃ってワタシが理解できないとでも?こっちは世界式を解いてるのよ、無駄なノイズを入れ込まないでアラン、ショートするでしょう。

理論はルネとジェイコブから、アナタが再現するのに不足していた要素は「笠っち」を見れば分かる。それを、アラン、アナタは自分の理論で補った。まったく、クーヴァキ実験設計局を任された時にはこんな事、想像もしなかったっていうのに……あぁ、もう、あの時期を思い出すと今コロンビーナが邪魔してこないことが癪に障るのよ、ほんとうざったいわ!

でもまあ、ワタシがドットーレに勝利する為の方程式を導き出せたのは、アラン、ルネ、ジェイコブ。アナタ達の研究のおかげみたいね。アルレッキーノに託していたバックアッププランを、遠慮なく詰めの一手に含めることができる。そう、チェックメイトになるわ。

あの厭味ったらしいドットーレのことだもの、じわじわと近付いてきて、一番最悪のタイミングでこちらを崩壊させに来るに決まってる。タイミングなんて知られてても仕方がないもの。だから、ワタシの努力はすんでの所で間に合わない。それがアイツの描くシナリオ。そうでしょう?実際、それを実現するだけの実力があることは……認めざるを得ないのだし。

だからこそ、計画の失敗をアイツにプレゼントしないといけないのよ。偽りのね。あら、今のドットーレにぴったりじゃない?冴えてるわね、ワタシも。

計画の失敗はつまり、世界式の停止、機械の造物であるワタシの損壊。理解してる。このタイミングで自分自身の構造に対する理解が深まったのは幸運ね。じゃないと「次の一手」はさせなかったもの。

水仙十字結社、ゲシュタル塔の研究によると……記憶、願い、魂、人格。ねぇ……。

すべてを見届ける者、すべてを記録する者、全てを設計する者。その地位を担えるのは、世界に等しい価値を持つ人間だけだ。 「一つの世界に匹敵する意志」。自我はそこに必要ない、大事なのは意志。

大層な言い方。そんなだからアランはアナタを……。ジェイコブは、アランの懐中時計で人格の土台を成形させられたみたい。思い出の品なら?幸い最近、人と関わることが増えたから。まあ何かしらを材料にできるでしょう。クーヴァキなんか籠もってると……コロンビーナがよく使う元素力だから、アナタの一部が自分の中に入ってるみたいで気持ち悪いけれどね。けれどそうね、これから深い深いラビットホールに入る事になる誰かへの勇気にはなるか。

コアはいわゆる『心』とはまったく違う。むしろ、他の重要な期間に似ているんだ。だから僕は、それが僕の追い求めるものの代替品になるとは思わない。人形と人間に違いがあると思うかい?違いがないとすればこう言えるはずだ――ただ、生まれ変わるだけだってね。

ほんと丁寧に導線、ありがとう。今のワタシには随分と、嫌味なくらいに鋭く刺さる言葉ね。でも、水に乾いた黒褐色の粉にかけても、再び血になることはないの。分かってる、分かってるわよそれくらい。

……まぁ、今回くらいぼかさずにエールを送りましょう。

ワタシが自分の魂、記憶、人格、そして自分だけの願いを持つようになることを祈ってるわね。ワタシが自分の運命を握り、来世……本当の世界で、美しい月光を見れることを祈っているわ。

 

この話は後でもう一回するとして。ちょっと取るに足らないある日の記憶を思い出したのよ。そんなことばかりだったからね。ある午後の三時だったわ、あのうざったいコロンビーナ、またワタシの部屋で寝て。すごく苦くてまずいだなんていいながら珈琲の匂いばっかり楽しそうに……アナタ絶対、お酒弱いでしょ。今の甘ちゃんのアナタはますます嫌いなんじゃないかしら?家族を置いて一人任務をこなす人間が溺れて飲む飲み物だものね。アランが酒の入った容器を見た時に、父親が酒をいつも持ってた話を一度だけしてくれた事があるわ。

……やめやめ。あんまりこんな事書いてると、あのコならワタシがワインでも飲んでるとかぎにやってくるじゃない。まさかワタシの部屋でならマズイマズイいいながら飲んだりしないわよね……?馬鹿みたい、今近くにいもしない人の事思い出して。あぁ、そっか、こんなズキズキした記憶を思い出したのは、そうね、願いの話をしてたからね。

コロンビーナ。アナタ、どんな場所ならずっと居たいって?一言一句覚えてるわよ、良く耳に残ってたもの。

『うーん…私にできないことを求めたり、私を崇拝したり恐れたりせず、ただ自然に話してくれる人がいるところかな…できれば、行きたい場所に自由に出入りできて、珈琲とお菓子の香りが漂ってる場所がいい…』

あの時、私はそんな場所この世界にないわよ、なんて……答えたわね。ないのよ、そんなもの。本当にどこにもね。だからワタシの今の人生最後の仕事にそれを選んでやったのよ。こんなつまらないドットーレとの戦いよりもね。この幸運に感謝しなさい?理由ね……そうね。ま、あの日記は安全な旅人のカバンの中にしまってもらう予定でコロンビーナに見られる予定もないでしょうし、これも誰にも見られないでしょうから、書いても構わないでしょう。

アランの葬儀の日。プロンニアも置いてきてたのよ。だから、この人生で一番最初のひとりぼっち。別に寂しくなんてなかったけれど、アランのお墓を見守ってたら……夜には雨が晴れて。やたら月が綺麗に見えたから。静かな夜に、この世界でワタシに寄り添ってくれるのは……まぁ、重ねて見ちゃっただけよ、その時の月と、アナタをね。別にアナタ個人の事はうざったいって思ってるわよ、一人の人として。

だってそうでしょう?アナタは「少女」だもの。後先考えずに小さな女の子みたいに何も知らない無垢な少女なんだから。きっと、帰ってきた時にワタシが全モジュールを停止していたら、泣いちゃうんでしょうね。大人とはかけ離れてるもの。周りに心配させて、人を気遣う余裕、あるかしら?

せめてなさないといけないことはしてあげなさいよ。大体ドットーレを倒すのだって……アナタの仕事になるのだし。目は閉じてるだけみたいだけれど、閉じたままアイツ相手に戦える?目を開けて横になってるワタシが見えるでしょうけど、気を取られてヘマしたら、許さないわよ。成すべきことを成しなさい。目の前のやるべきことから、目をそらさないで。旅人だってアナタを頼りにしてるんだから。別に後で人目も気にせず泣いてもいいから、その気持に応えてあげて。アナタって本当に馬鹿なんだから。

月へワタシを連れてって、なんて言わないわよ。なんか、そういう曲、あるみたいね。ラブソングらしいけど。「Fly me to the moon」……。ワタシが歌うならともかく、アナタには贅沢よ。「月へ行くTo the moon」くらいに留めておいたらどう?「私を連れてってFly me to」の行き先なんて、ワタシが今文字通り命を削って作ってる未来のどこかにしかないものね?ゴールデンシロップを旅人に渡すのは、さすがに一緒に過ごした年月を考えなさいよ、そんなことでワタシの人生を踏みにじったら一生許さないから。

 

さ、もうこの辺にしておきましょうか。

……思えばワタシがこの人生で最後に聞いたアナタの言葉。

「きっとまた、サンドローネに会いたくなる」

……なのよね。そうよ、これもまた、ワタシの願い。

アナタの理想の居場所には、ワタシがいないといけないのよね?あら、ごめんなさい。今のワタシがそんなに素直にアタナに幸せを提供するとでも?だから、ちょっとした渋い紅茶を出してあげるわ。別に、仕返しのための脅しだなんて怯える必要はないけれど。でも、世界式を解明する以上の無理難題をワタシにさせているんだから、少しくらい我慢してもらうわよ。

水に乾いた黒褐色の粉にかけても、再び血になることはないの。わかるでしょう?それと、そのために必要な時間も。ちょっとだけ、待ってて。

アナタ、ワタシがあのふざけたかじかじイルカの場所で渡した『香りを失った花』、大切にしてる?

はぁ?忘れた?馬鹿なの?人の心のこもった贈り物を……いや、この書き置きは別に、コロンビーナは読まないのよね。はぁ。

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サンドローネとコロンビーナ・ハイポセレニアの関係が「恋人」であるという事を示唆するロミオとジュリエットの引用において、最終的に何が作中で示されるか予測せよ

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こんなリトルリドルを前に解いて発表したことがあったのだけれど。覚えてらっしゃらないわけ、ないわよね?

この際コロンビーナ、アナタがジュリエットと白の女王だとか。

ロミオから恋人の座を奪ったり……ふん、お兄さん?家族から奪ったロミオ、鏡の国のアリスがワタシ……なんてエピソードはどうでもいいのよ。

もう一度答えをここに記すから。覚えておくように。

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答.

バラはバラでなくなったとしても、香りを失ったりしない

これが原文。

引用の通り、バラという名でなくなったとしても、香りを失ったりしない。

ワタシの贈った花は何かしら。「香りを失った花」よ。あら、悪かったわね。もう既に香りを失っていて。それはマリアンを模して作られた機械の人形だから?そうかもね。

これでもし今後、失っていた香り、マリアンが戻ったり……新しく別の香りがついたりするような事があったら、アナタはどう思うかしら?

きっと、ワタシのことをたいして理解してない人は、変わってしまったって。そう言うかもしれないわ。

別に言わせておけばいいのよ、コロンビーナ。別にどうでもいいのよ、アナタからどう見えるか以外、ワタシにとって。

アナタに贈った時に、テキストがついているはずよ。それが、下の文章。

「祈月の夜の雰囲気に合わせて改装された花壇。機械の花は夜になると明るく温かい光を放つ。」(The mechanical flowers within glow with a warm and gentle light in the dark.)

アナタのよくわからないお花畑にもある雲を纏う月のテキストとも合わせてみましょうか?

It emits a soft glow at night.

夜になると、淡い光を放つ

×

glow with a warm and gentle light in the dark.

夜になると明るく温かい光を放つ

これで分かったでしょう。

……そうね。別に香りがどうとか、名前がどうとか。百歩譲って、名前がサンドローネ・ハイポセレニアになったとして(もちろん、冗談よ)。

ワタシになにかがあっても。

それでも。誰かからは変わってしまったように見えても。

本質を見るために、偽りを目にしなくていいように。普段目を瞑っているアナタにとって、ワタシを何で見てるかは。

香りじゃなくて、夜になると明るく温かい光を放つこと。そうなんでしょう?

「閉じた眼」だなんて誤解されてるけれど、他の誰よりも温かさが見えてるのくらい、知ってたわよ。

ドットーレには散々、人を信用しないからだなんて今までチクチク言われてきたけれどね。

悪かったわね、その予想は大外れ。

ワタシはね、多少のコロンビーナとの思い出が引き継げるかどうかは……未知のことだから、ともかく。

たとえどんな風に来世が来たって。

あのうざったいコロンビーナといる時に、嫌味を言わない自信はないの。

それ以上に信頼できることなんてないわ。

そんなワタシの姿は、他の人には別人に見えても……アナタにだけは、本質はきっと、変わらないわよね?

もうそろそろ、世界式の方に戻らないと。

コロンビーナ、また後でね。

ワタシも今、アナタに会いたくなってるわ。